■自民党総裁選が告示
2025年9月22日、自民党総裁選が告示となり、5人の候補者が立候補を届け出た。自民党本部では所見発表演説会が行われ、5人の候補者が支持を訴えた。

■自民党総裁選の予定
日程
- 9月22日(月) 告示・立候補受付
- 10月3日(金) 党員投票締切
- 10月4日(土) 投開票・新総裁決定
自民党国会議員数(2025年9月時点)
- 衆議院:465議席中、自民党は 191議席
- 参議院:248議席中、自民党は 101議席
- 衆参議長・副議長4名中、自民党は3名
国会議員数の合計 295名 ⇒ 議員票295票
総裁選の投票内訳
- 国会議員票:295票
- 党員・党友票:議員票と同数(295票)を全国の党員・党友投票で按分
- 合計票数:590票
勝敗ライン
- 過半数は 296票。
- 1回目投票で過半数を得られなければ、上位2人による決選投票に進む。
- 決選投票では、国会議員票295票+都道府県連票47票の合計342票で勝敗を決する。
■演説会で示された候補者5人の基本方針
※名前の後の( )は国政の当選回数
小林鷹之(衆5回)
Kobayashi Takayuki[小林鷹之]
◆1974年11月29日生 ◆千葉県市川市出身 ◆東京大学⇒財務省⇒ハーバードKSG⇒政治家(自民党)
頑張れば報われると現役世代が実感できる日本
物価高対策として、所得税減税を含めた税制改革で、子育て世代、現役世代を支援する。
防衛力強化
抑止力の向上には、GDP比2%の防衛費では不足、国家戦略改定、必要な額の積み増しを行う。日米同盟を基軸とし積極的な外交、経済安全保障のインテリジェンス機関の創設を行い、対外情報機関に政治主導で取り組む。
憲法改正
憲法への自衛隊明記、緊急事態条項の創設を目指し、総裁任期中に憲法改正を発議する。
我が国の民主主義を守る
出入国管理を含めた外国人政策を厳格化し、安全保障上の重要な土地や住居用不動産の外国人による取得規制を強化する。外国勢力の情報干渉には刑事罰を設ける。
自民党の解党的出直し
自民党の解党的出直しには原点回帰と世代交代が必要だ。スピードある決断、オープンで発信力のある組織に変える。
茂木敏充(衆11回)
Motegi Toshimitsu[茂木敏充]
◆1955年10月7日生 ◆栃木県足利市出身 ◆東京大学⇒ハーバードKSG⇒マッキンゼー⇒政治家(自民党)
自民党と日本経済を再生
自民党は結党以来、最大の危機にある。2年で党と日本経済を必ず再生する。
世代交代
バトンを次の世代に引き継ぐ道筋をつくる。閣僚の平均年齢は10歳若返らせる。若手や女性を思い切って登用し、3割は女性にする。
政権基盤
政権の安定を目指し、基本政策が一致する政党と連立の枠組みを広げ、政権基盤を固める。
物価高対策・経済対策
増税ゼロの政策を推進する。物価高対策として、地方が需要に応じて自由に使える「生活支援特別地方交付金」を創設する。個人の金融資産や企業の内部留保を投資に振り向け、投資を起点とした経済の好循環を回す。
地方創生
東京一極集中の是正と地方の成長力アップへ人工知能(AI)、半導体、データセンター、グリーン関連事業、成長分野の地方への立地を支援する。
外交政策・外国人政策
日米貿易交渉をまとめた実績や外相を務めた経験を活用し、力強くしたたかな外交を展開する。国民の安心・安全のため違法外国人ゼロを目指し、法令順守を徹底する。ルールが守れない外国人には厳しい対応を取る。
林芳正(衆2回・参5回)
Hayashi Yoshimasa[林芳正]
◆1961年1月19日生 ◆山口県下関市出身 ◆東京大学⇒ミツイブッサン⇒ハーバードKSG⇒政治家(自民党)
経験を活かす
岸田、石破両政権で官房長官を務めた。中枢にいた者の責任を感じながらもこの経験を生かし、継承の中に変化や革新を求めていく。
実質賃金上昇
物価上昇より賃金が上がっていくようあらゆる手段を講じる。実質賃金が1%上昇する経済状況を定着させたい。
規制緩和・GX推進
成長戦略として規制緩和を進め、人工知能(AI)を含むDX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)を推進する。官民協調で新しい経済をつくっていく。その一丁目一番地がGXだ。
食糧安全保障
需要に応じたコメの生産、麦や大豆の国産率を上げ、食料安全保障に取り組む。地方税の偏在を是正する。
防災庁を設置
災害発生時に即座に対応できる防災庁を設置する。
低・中所得世帯を支援
主に低・中所得世帯を支援する「日本版ユニバーサルクレジット」を創設し、分厚い中間層を取り戻す。団塊ジュニア世代が後期高齢者になる2040年代に向け、持続可能な社会保障を構築するための工程表を作る。
高市早苗(衆10回)
Takaichi Sanae[高市早苗]
◆1961年3月7日生 ◆奈良県大和郡山市出身 ◆神戸大学⇒マツシタ政経塾⇒政治家(自民党)
日本古来の伝統
日本人の気持ちを踏みにじって喜ぶ人が外国から来るなら、何かしなければならない。日本古来の伝統を守るために体を張る。
外国人政策
警察で逮捕しても通訳の手配が間に合わず、勾留期限が来て不起訴にせざるを得ないとよく聞く。外国人との付き合い方をゼロベースで考える。公平で公正な日本を実現する。
太陽光パネル政策見直し
北海道・釧路湿原に太陽光パネルを敷き詰める政策はゆがんだ補助金による結果だ。補助金制度の大掃除をする。
女性登用・全世代結集
看板倒れの自民党に党員や党友、国民もうんざりしている。未来の国家、国民のために汗をかける人を集め、よく働くチームをつくる。内閣や党役員に女性を多く選び活躍してもらう。全世代の総力を結集して、党を立て直す。
皇室典範改正・憲法改正
皇統を男系で引き継げるよう、皇室典範を変える。自衛隊の存在を憲法に書き込む。
日本を高い位置に押し上げ
今年は戦後80年だ。日本をもう一度高い位置へ押し上げる。強い経済、強い国土、安全な社会を次世代に送る決意だ。
小泉進次郎(衆5回)
Koizumi SHinjiro[小泉進次郎]
◆1981年4月14日生 ◆神奈川県横須賀市出身 ◆関東学院大学⇒コロンビア大研究滞在⇒政治家(自民党)
党の結束・信頼回復
私が衆院議員に初当選した2009年、自民党は野党に転落した。あれから16年たち、自民には再び解党的出直しが求められている。われわれの使命は、皆で党を立て直すことだ。国民との約束、野党との合意、国民が求めていることを一致団結し、着実に実行することが信頼回復の唯一の道だ。党が一つにまとまれるよう、全身全霊を尽くすことを誓う。
物価高対策・経済対策
優先すべきは、物価高に苦しむ切実な声に向き合い、国民の暮らしに安心と安定を取り戻すことだ。直ちに経済対策を検討し、臨時国会に補正予算案を提出する。ガソリン税の旧暫定税率廃止に取り組む。物価や賃金上昇に合わせた基礎控除等を調整する仕組みの導入、公的支出や公定価格の是正を進める。
与野党合意に向けた対話
衆参両院で少数与党下にあり、与野党間の対話が求められる。今後、物価高対策や社会保障など国民の関心が高い政策について、野党に幅広く政策協議を呼びかけ、合意を模索する。政権の枠組みの在り方でも議論を深めていく。