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ニーチェ「観客がいない芝居」注目されたいのに注目されない理由

■注目されたいのに注目されない理由

SNSで、有名じゃない人が「妊娠しました」「結婚しました」「離婚しました」と発表することがある。
時々、YAHOOニュースに掲載され、「この人は誰?」と思うことがある。

筆者はテレビを毎日たくさん見ており、インターネットのニュースもたくさん見ているので、「名前も聞いたことが無い人」は有名人ではない。

売名行為は否定されるべきことではない

筆者は、有名じゃない人が有名になろうとして行う「売名行為」を否定しない。
有名になりたいのであれば「売名行為」をするのは当たり前であり、一生懸命やるべきである。

売名行為の手段が効果的か

疑問に思うのは、SNS上で名前を売ろうとする手段が効果的なのかということである。
ニーチェのいう「観客がいない芝居」をやっているということはないだろうか。
ここで、ニーチェの言葉を引用する。

■ニーチェ「観客がいない芝居」

自己顕示欲。
要するに「自分だけ目立ちたい」「自分だけは特別に注目されたい」という欲望。
パーティーに出てみると、これがよく見えてくる。

ある人はお喋りや豊富な話題で、
ある人は奇抜な服装で、
ある人は顔の広さで、
ある人は自分が孤立していることで、
それぞれ、自分だけ注目されようとしている。

しかし、彼らのこういう計算は間違っている。
自分こそ注目される役者であり、他のものは観客だと思っているからだ。
それぞれがそう思っていて、「観客がいない芝居」なのだ。
だから、結局は誰も注目されていないことになる。

人生においても、しばしば同じことが起きている。
ある人は権力で、
ある人は学歴で、
ある人は、同情を誘う哀れさを見せることで、
それぞれに目立とうとしている。

だが、注目されるという目的は果たされない。
なぜなら、他の人みんなが「自分の観客」だとそれぞれに思っているからだ。
【出典】「超訳 ニーチェの言葉」

■ツイッターのフォロワー数は有名人の指標か?

SNSでよく話題になるのは、ツイッターのフォロワー数である。
自分をフォローしてくれた人は、自分のツイートを今後も見てくれる可能性が高いということになる。

しかし、そのフォロワー達は自分だけを見ているのではなく、その他大勢の人をフォローしツイートを閲覧している。

したがって、元々有名じゃない人が「SNS上で活発に交流する努力」によって有名になるのは無理なのではないか。

有名タレントが有名な理由はSNSではない

有名タレントのフォロワー数が日本で第何位かということがテレビで話題になるが、元々有名だからフォロワー数が多いのであり、SNS上の努力でフォロワー数を増やしたわけではない。

「人の役に立つもの」「人を感動させるもの」「自分が初めて達成したこと」など、「人々が注目するもの」を披露してはじめて「注目される」「有名になる」ということになるのではないか。

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