■2026/5/4-憲法改正案の重要な議題「憲法九条の改正」

■高市首相が憲法改正に意欲

高市早苗首相は、自民党大会で以下の様に述べ、憲法改正発議に意欲を示した。

理想の日本国を文字にして、
歴史という書物の新たなページに刻みましょう。

そのページをめくるべきかどうか、
国民に堂々と問おうではありませんか。

立党から70年、時は来ました。

  • Takaichi Sanae[高市早苗]Takaichi Sanae[高市早苗]
    ◆奈良県出身 ◆1961年3月7日生 ◆神戸大⇒アメリカ勤務⇒テレビ出演⇒自由党⇒自由改革連合⇒新進党⇒自民党 ◆憲政史上初の女性首相

憲法改正については、基本的なことを把握したうえで、自分なりに考え、自分で意見を持つようにしたいものである。

憲法改正に必要な手続き

日本は、憲法改正へのハードルは高い。

憲法改正に必要な手続き
衆議院2/3、参議院2/3の賛成で国会が発議
⇒国民投票で有効投票の過半数の賛成
⇒天皇が公布

現状では参議院で議席数が不足

政権与党が憲法改正をするためには、次回の参議院選挙で圧勝する必要がある。

衆議院では改憲に必要な3分の2の議席を確保
2026年2月8日投開票の衆議院総選挙の結果
自民党316+維新36=346
衆議院465議席の2/3=310

参議院では改憲の発議は困難
2025年7月20日の参議院選挙の結果
自民党101+維新19=120
参議院248議席の2/3=166

■憲法九条の全文

日本国憲法第九条は、以下の様に、「戦争放棄」の第1項と、「戦力不保持」の第2項がある。


日本国憲法 第九条 

(第1項)
日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する。

(第2項)
前項の目的を達するため、
陸海空軍その他の戦力は、
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。


▲「上諭(じょうゆ)」(天皇の公布の言葉)

自衛隊が存在する根拠・・「自衛権」「必要最小限度の実力」

第九条では「陸海空軍その他の戦力は保持しない」と定めている。
しかし、現実には、陸海空軍の戦力を有する自衛隊が存在する。

政府見解では、自衛隊が存在する根拠は、以下の条文にある。
以下の条文を達成するためには、「自衛権」を行使するために「必要最小限度の実力」を保有する自衛隊が必要である、という見解である。

前文
全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、
平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
公共の福祉に反しない限り、
立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

■憲法九条の改正に反対する意見

改正反対の人の考え方

憲法九条の改正に反対する人が、改正に反対する理由は、以下の点が多い。

「戦争放棄」の看板が外れ、戦争に向かうハードルが下がる。

1945年の終戦以来、一度も戦争をしなかった実績がある日本の、国際的信頼が低下する。

軍事同盟を結んでいるアメリカからの過大な要求を断る理由が弱まるのではないか。

有名な人の意見(趣意)

共産党・田村委員長
無法な戦争への協力を退ける最大の力になっているのが憲法9条だ。
高市政権や自民党、日本維新の会が、憲法9条を変えて、戦争する国づくりを進めようとしている。

▲共産党・田村委員長

■憲法九条の第二項をそのまま残し、自衛隊を明記する案

改正の内容


日本国憲法 第九条 

(第1項)
日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する。

(第2項)
前項の目的を達するため、
陸海空軍その他の戦力は、
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。

(上記はそのまま)
自衛隊の存在を明記する文章を追加


この改正案の考え方

この改正案に賛成する人が、賛成する理由は、以下の点が多い。

「戦争放棄」の看板がそのままなので、戦争に向かうハードルが下がることがない。

1945年の終戦以来、一度も戦争をしなかった実績がある日本の、国際的信頼は低下しない。

自衛隊の存在意義が明確になる。

有名な人の意見(趣意)

安倍晋三氏(元内閣総理大臣)
我が国の独立を守り、平和を守り、国と国民を守る自衛隊を、憲法にしっかり明記し、違憲論争に終止符を打つべきである。

▲安倍晋三氏

■憲法九条の第二項を削除して自衛隊を明記する案

改正の内容


日本国憲法 第九条 

(第1項)
日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する。

(第2項)
前項の目的を達するため、
陸海空軍その他の戦力は、
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。

(打消線部分を削除)

自衛隊または国防軍の存在を明記する文章を追加


この改正案の考え方

この改正案に賛成する人が、賛成する理由は、以下の点が多い。

「戦争放棄」の看板は第一項で充分なので、第二項は削除しても戦争に向かうハードルが下がることがない。

1945年の終戦以来、一度も戦争をしなかった実績がある日本の、国際的信頼は低下しない。

自衛隊の存在意義が明確になる。

有名な人の意見(趣意)

石破茂氏(元内閣総理大臣)
自衛隊が軍隊じゃないというのはまやかしである。
9条2項を削除しないと安全保障の議論は絶対にまともにならない。
9条1項で「国際紛争や領土をめぐる武力を用いた争いはやりません」と明示しているので、1項を残している限り、心配している事態にはならない。

▲石破茂氏

■日本の憲法の歴史

604年制定「十七条憲法」・・「和を以て貴しとなす」

604年に聖徳太子が制定した日本最古の成文法であり、現代の法的な憲法とは異なり、官僚や豪族が守るべき道徳や心得を説いた「訓戒」である。

第一条「和を以て貴しとなす」という和の尊重や、天皇への絶対服従、仏教の信仰を強調している。 近代的な法体系ではなく、道徳的・政治的指針としての性格が強い。

▲聖徳太子

1889年制定「大日本帝国憲法」・・「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」

1889年2月11日に公布され、11月29日に施行された。1945年8月15日の終戦まで、日本の国家体制の基盤となった。

天皇が軍の統帥権を持ち(第11条)、軍が天皇から直接承認を得ることによって、軍の意向がそのまま実行された。議会は存在するものの、軍が要求した予算を承認するだけの存在となっていた。

1947年制定「日本国憲法」

1945年の日本の敗戦後、連合国軍総司令部の占領下で、1947年に制定された。

基本原則は国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義であり、9条によって戦争放棄が明記されている。

1946年11月3日に公布され、1947年5月3日の施行以来、一度も改正されていない。

■出典

「首相官邸 政策・憲法関連情報」
https://www.kantei.go.jp

「自由民主党 憲法改正に関する基本方針」
https://www.jimin.jp

「立憲民主党 憲法に関する見解」
https://cdp-japan.jp

「全国商工団体連合会 改憲関連記事」
https://www.zenshoren.or.jp

「東洋経済オンライン 憲法改正関連記事」
https://toyokeizai.net

「The Guardian Japan constitution protest news」
https://www.theguardian.com

「国立国会図書館 日本の憲法資料」
https://www.ndl.go.jp

「参議院 憲法審査会関連情報」
https://www.sangiin.go.jp

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